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肉も魚も豆も。しかし肉は少なく!(タンパク質)

■たんぱく質は生殖活動に極めて重要な栄養素

 たんぱく質は20種類のアミノ酸が結びついて出来ています。食物では肉・魚・卵・大豆・乳製品等に豊富に含まれていますが、それらを食べてもたんぱく質をそのままの形では吸収できませんので、たんぱく質からペプチド、そして、アミノ酸へと消化し、体内に吸収します。この食べることで取り入れたアミノ酸(8種類の必須アミノ酸)と、人間の体内で合成されるアミノ酸とを材料にして、人間にとって必要な別の新しいたんぱく質に作りかえています。

 このようにして作られたたんぱく質で、筋肉やつめ、皮膚、臓器、髪の毛だけでなく、血液や酵素、インシュリン、脳下垂体ホルモン、さらには、免疫抗体、遺伝子などがつくられています。まさに、生殖活動に直接関わる重要な物質と言えます。

 ところで、20種類のアミノ酸の組み合わせで、3、4万種類のたんぱく質をつくっているのですが、食べて取り入れなければならない8種類の必須アミノ酸の体内バランスは、当然、その時々の食生活に左右されることになります。

 アミノ酸は、不足している種類があると、そのアミノ酸の量に合わせてでしかたんぱく質を合成できません。ですから、20種類のアミノ酸が、過不足なく、万遍無く揃っていることがとても大切になってきます。

 このことを「桶の理論」と呼ぶことがあります。桶を構成する板の中で短い板が1枚でもあると、その短い板の長さ分しか桶に水を入れることが出来ないということです。


■動物性たんぱくと植物性たんぱく

 さて、たんぱく質の食べ方と妊娠しやすさについて、疫学調査で、どのようなことがわかったのでしょうか。簡単に言うと、動物性たんぱく質をたくさん食べる人ほど妊娠しにくい、反対に、植物性たんぱく質をたくさん食べる人ほど、妊娠しやすい傾向があったといいます。

 毎日の平均たんぱく質摂取量によってグループに分けたところ、最も多く(平均115グラム)たんぱく質をとっていたグループは、最も少ない(平均77グラム)グループに比べて、排卵障害のリスクが41%高かったとのこと。

 そして、動物性たんぱく多くとるほど、排卵障害になりやすく、植物性たんぱくを多くとるほど、排卵障害になりにくいことが分かりました。

 つまり、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を、どちらか一方に偏りなく食べることが大切だいうことです。動物性たんぱくと植物性たんぱくをバランスよくということですね。


■アミノ酸の摂取バランス

 さまざまな役割を担うたんぱく質は、20種類のアミノ酸の組み合わせによって構成されるわけですから、生殖活動をはじめとする生命活動が円滑にすすむためには、アミノ酸を偏りなく、バランスよく摂取することが絶対条件です。

 アミノ酸の摂取バランスという観点からは、動物性たんぱくはアミノ酸スコアが高く、植物性たんぱくは低いものが多く、動物性たんぱくのほうが効率的に、アミノ酸全体を摂取できるということになります。また、人間の身体との親和性も動物性たんぱくのほうが高く、体内での利用効率も高いとされています。

 ですから、アミノ酸の摂取バランスという観点からいえば、牛肉や豚肉、鶏肉、魚など、いろいろな動物性たんぱく質を食べるということになります。


■たんぱく質と一緒に取り入れるものはさまざま

 ところが、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質では、たんぱく質以外に摂取する栄養成分がずいぶん違います。

 例えば、脂肪。動物性たんぱく質と一緒に摂取する脂肪は動物性脂肪で、飽和脂肪酸が多くなります。ただし、動物性たんぱく質でも魚からとる場合には、一緒に摂取する脂肪は必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸が多くなります。

 そして、植物性たんぱく質と一緒に摂取する脂肪は植物性脂肪です。

 また、微量栄養素やその他の成分はどうでしょう?特筆すべきは、大豆や豆、ナッツ類には、ビタミンやミネラル、食物繊維、さらには、植物性の生理活性成分が豊富なことです。動物性たんぱく質が豊富な食品よりも、植物性たんぱく質が豊富な食品のほうが、取り入れたいたんぱく質以外の栄養成分が圧倒的に豊富なのです。


■魚は積極的に食べるべし

 魚は良質なたんぱく源であるだけでなく、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は母親の胎盤を通して胎児に供給され、脳の発育に不可欠な役割を果たします。妊娠前から魚をよく食べる女性のお子さんほど、生まれてから知能的な発育が良好であること、また、知能だけでなく、アトピー性皮膚炎や小児ぜんそくなど、アレルギー疾患にかかる割合が低いことが報告されています。ただし、一部の魚には、水銀に汚染されているののもあり、妊娠前、妊娠中の女性にとっては要注意です。


■まとめ

 繰り返しになりますが、たんぱく質は生殖活動に直接関わる重要な栄養素です。たんぱく質が不足したり、アミノ酸バランスが悪くなると、生殖ホルモンの産生に支障をきたしたり、生殖プロセスを円滑に進行させる酵素が不足したりしかねません。ですから、まずは、良質なたんぱく質をしっかり食べること。基本中の基本です。基本が不安定であれば、その上に、いくら、せっせと、カラダづくりや不妊治療などを施しても、うまく働いてくれません。

 毎日、良質なたんぱく質をいろいろな食品から食べていれば、特定のアミノ酸だけをサプリメントでとる必要は全くありません。

 また、妊娠中、肉をまったく食べない食事健康法をされている方もいますが、胎児の成長に影響が出たり、早産のリスクが高まりますので、お肉も食べるようにしてくださいネ。








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            妊 娠 力 を 高 め る 食 事 法
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① トランス脂肪酸の摂取を避ける
② オリーブオイルやキャノーラオイル等の不飽和脂肪酸の摂取を増やす
③ 豆類やナッツのような植物性たんぱくを増やす
④ 無精製の穀物を食べる
⑤ 肉・卵・乳製品をなるべく減らす
⑥ 葉酸をはじめとするビタミンB群(Bコンプレックス)を摂取する
⑦ 野菜や果物、豆類、そして、サプリメントから鉄分を摂取する
⑧ 清涼飲料水(缶コーヒーや缶ジュース等)は避ける
⑨ 適正体重を維持する
⑩ 毎日、穏やかな(過激にならない)運動を続ける


妊娠しやすいカラダづくりより引用
by acure0038 | 2009-04-16 18:43 | 妊娠しやすい体作り
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